包丁売り場を見ていると、たまに「ダマスカス鋼の包丁」というのを見かけますよね。
ダマスカス鋼って名前からするとなんだかゴージャスだし強そうですが、どんな性質があるのでしょうか。
ネーミングも気になりますが、切れ味も気になりますよね。
ダマスカス鋼の包丁の切れ味はやはり普通の包丁よりもよく切れるのでしょうか。
ということで今回は、ダマスカス鋼の包丁の使い方や切れ味についてまとめました。
ステンレスとの違いについてもチェックしてみましょう。
ダマスカス鋼について
ダマスカス鋼(こう)というのは木目状になった特徴的な模様をしている鋼のこと。
古代インドで開発された歴史の古い鋼であり、鉄鉱石を原料としています。
なぜダマスカス鋼というかというと、シリアの首都であるダマスカスで、昔から刀剣の材料として使われていたことからこう呼ばれるようになりました。
ちなみにウーツ鋼と呼ばれることもあり、ウーツというのはサンスクリット語で「硬い」という意味となります。
木目のような不思議な縞模様は、内部結晶作用という現象を利用して作られてたので、人工的に描いたものではなく、製造の過程浮かび上がってくる模様なのです。
・・・・・・・
しかし、残念ながらこの特殊な技術というのは現在では失われてしまっています。
現在販売されているダマスカス鋼の製品というのはダマスカス鋼“風”というイメージで作られた別物なのです。
うーん。
なんだかちょっと残念ですね。
ステンレスとの違いについて
では次に、ダマスカス鋼とステンレス製の包丁にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、ステンレスというのは主成分である鉄に、クロムという金属が10%以上含まれているものをいいます。
このクロムというのは錆びにくい性質があるのでステンレス製の包丁は錆びにくくなっているのです。
ただし、業務量のステンレス包丁などは硬くて研ぎづらいという一面もあります。
一方、現在流通しているダマスカス鋼というのは、モリブデン鋼という金属の周りに、ダマスカス鋼を重ね合わせ模様が浮き出るように作っています。
モリブデン鋼というのは、ステンレス同様に鉄にわずかなクロムを混ぜて作られています。
なので強度はあるのですが、クロムの含まれている量はステンレスとは比べものにならないくらい少量なので、絶対に錆びないほどの耐錆性はありません。
ダマスカス鋼の包丁はよく切れるのか
次に切れ味について。
ダマスカス鋼の成り立ちや製造方法は分かりましたが、実際の切れ味はどうなのでしょうか。
ダマスカス鋼の包丁というのは耐久性があり、錆びにくく、切れ味が良いというのが特徴です。
しかし、現在出回っているダマスカス鋼の包丁というのは古代からの製法で作られたものではなく、モリブデン鋼が芯となっているあくまで現在の手法で作られた包丁のこと。
また、市販されているダマスカス鋼の包丁というのは高価なものが多く、基本的には1万以上はします。
なので特別ダマスカス鋼の切れ味が良いというよりも高価な包丁なので、その分性質が良く作られていて切れ味も良いと考えた方が自然でしょう。
ダマスカス鋼の包丁のメリットは?
ダマスカス鋼の包丁の大きな特徴というと、やはりあの神秘的な縞模様ですね。
古代インドの兵士たちも、あの縞模様の剣というのは憧れだったといいます。
ということで、見た目がカッコイイ包丁が欲しいという方にはおすすめです。
また、高価な包丁なので切れ味はとても良く、すぐに使えなくなるなんてことはありません。
予算が高くても高級感があって切れ味のいい包丁が欲しいという方には良いのではないでしょうか。
まとめ
今回はダマスカス鋼の包丁の使い方や切れ味についてまとめてみました。
ダマスカス鋼というのは古代インド発祥の不思議な模様をした金属のことだったんですね~。
現在の流通しているダマスカス鋼の包丁というのはモリブデン鋼が基本となっていて、強度があり切れ味も良いそうです。
見た目もカッコいいのでスタイリッシュな包丁が欲しいという方にはおすすめですね。
しかし、切れ味が良くて強度のある包丁なら他にもあるので、予算がないという方にはあまりおすすめしません。
「ダマスカス鋼だから超切れる!」というわけではないようですね。
しかし、ちょっとあの独特な模様は憧れないでもありません。
ま、私は買わないんですけどね。
(^^;
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ