文化

節分にひいらぎとイワシの頭ってどういうこと?由来は?地域によって呼び方やルールは違う?

節分にひいらぎイワシの頭を飾る風習を知っていますか?

柊鰯(ひいらぎいわし)というれっきとした風習なのですが、馴染みが無い人にとっては、

何それ?怖い!
・・・なんか生臭そう

と、びっくりしてしまうことがあります。

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しかし、なぜひいらぎとイワシの頭を飾るのでしょうか。

インパクトは強いですが、あまり華やかで美しい飾りではありません。
どんな意味由来があるのでしょうか。

ということで今回は節分にひいらぎとイワシの頭を飾る理由についてまとめました。

この風習が広まった理由や地域によってのルールの違いなどをチェックしていきましょう!

節分のひいらぎイワシの意味と由来

ひいらぎイワシ(柊鰯)は節分に魔除けとしておこなわれる儀式です。

ひいらぎの小枝にこんがりと焼いたイワシの頭を突き刺して、門口や玄関に飾ります。

関東ではひいらぎイワシと言いますが、関西では、

  • いかがし
  • やっかがし
  • やいくさし
  • やきさし
  • などと言います。

    ひいらぎは葉の先が尖っているので鬼の目を突き刺す魔除けの効果があるといわれています。

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    そして焼いたイワシの頭は生臭く、煙が出るので鬼が近寄ってこないといわれています。

    こういった魔除け、邪気除けの効果のあるものを家の門や玄関に飾ることを「門守り」といい、病気や災難が家に入るのを防ぐ効果があるとされています。

    ひいらぎイワシは見た目はグロテスクな印象がありますが、平安時代にはすでに書物等に記述がみられる歴史のある風習です。

    当時はしめ縄にひいらぎの葉とボラの頭を刺して飾っていたという記述が紀貫之の「土佐日記」にみられるので、承平5年にはお正月の飾り物として定着していたことが伺えます。

    飾る期間は地域によって差があり、節分当日の夜にだけ飾る場合、節分の日から次の日の立春まで飾る場合、節分の日から2月いっぱい飾る場合、小正月から節分当日まで飾る場合などがあります。

    イワシは食べる?飾る?

    焼いたイワシの頭をひいらぎの葉に刺して・・・なんて聞くと

    イワシって節分に飾るものなんだ~

    と思いますが、イワシは飾るだけでなく食べることもあります。

    イワシの語源は「弱し」「卑し」であり、漢字では「鰯」と書きます。
    また、イワシには独特の臭いがあり、生臭いイメージも強いです。

    弱く、いやしく、生臭いイワシを食べてしまうことで身体の中の陰気を消してしまう


    という考えから節分にはイワシを食べるという文化が広がりました。
    イワシには魔除けの意味もあります。

    どんな風に調理するかは特に定められていないので煮物つみれ汁などにして食べることが多いです。

    最近では子供が食べやすいようにイワシハンバーグを作ることもあります。

    イワシにはDHAやEPAが豊富に含まれていているので学習能力や記憶力を向上する効果があります。
    骨を丈夫にするカルシウムも豊富なので栄養面でも優秀な食べ物です。

    地域によって違うのか

    ひいらぎイワシの風習は地域によって違いがあり、多くおこなっている地域もあれば、あまり馴染みのない地域もあります。

    ひいらぎイワシは関西が発祥とも言われていて、特に奈良県奈良市内ではひいらぎイワシを飾る家は多いです。

    奈良ではイワシの頭だけでなく尻尾も飾ることがあり、また一本だたらという妖怪を防ぐために小枝にイワシの頭を刺す風習もあります。

    魔除けとしてニンニクやラッキョウを吊るすことも多く、かなりバリエーション豊富です。

    東京や埼玉の一部地域ではひいらぎとイワシと一緒に魔除けを意味する豆がら短冊を飾るところもあります。

    また、福島の一部地域でもひいらぎイワシの風習が残っているようです。

    関東でもひいらぎイワシを飾る家は存在しますが、基本的には奈良を中心とした風習で、関東ではあまり見かけません。

    ひいらぎイワシの処分方法

    節分が終わったらひいらぎイワシを処分しなくてはいけませんが、魔除けに使っていたものをポン、と生ごみに入れるのは抵抗がありますよね。

    ではどういった処分方法をとったらよいのか。

    ここでは、飾ったひいらぎイワシの処分方法についてみていきましょう。

    処分方法

  • 塩で清めてから半紙に包んで捨てる
  • 焼いて灰にしてから処分する
  • 神社に持っていきお焚き上げしてもらう


  • とまあいくつかありますが、一番多いのが塩で清めて半紙に包んで処分する方法です。

    家で簡単にできるので一般的な方法とされています。

    ひいらぎイワシの形のまま処分することに抵抗があるなら灰皿などに乗せて灰になるまで燃やし、灰を半紙に包んで処分しましょう。

    もしも自宅で処分することに抵抗があるのなら神社に持っていきお焚き上げしてもらう方法もあります。

    1月15日前後には神社でどんど焼きが開かれて、正月飾り、しめ縄などを燃やして無病息災を願うので、ひいらぎイワシも一緒に持っていくと良いでしょう。

    まとめ

    今回は節分にひいらぎとイワシの頭を飾る理由について紹介しました。

    突然目に入ると「ギョっ」としてしまう光景ですが、邪気を払い家に病気や災いを入れないというちゃんとした理由があります。

    イワシは飾るだけでなく食べる魔除けもあるので、頭を飾った残りの身は料理に利用しておいしくいただくようにしましょう。

    今回は以上です。
    ご参考になりましたら幸いです。
    (*゚ー゚*)ノ