紙鍋。
よく料亭や旅館で紙製の器に汁物が入って出てくることがありますよね。
通常は紙鍋の下には卓上コンロや着火剤があります。
あの青い塊がゆらゆらと炎を出して料理をアツアツにしてくれるやつですね。
(^^ゞ
こう言われると、
「ああ!」
と頭に思い浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
あれがいわゆる紙鍋と言われてるものです。
でもあの紙鍋を見ていて不思議に思ったことはありません?
紙でできた鍋を下から火で炙っているのに紙鍋は焦げることも燃えることなく鍋の役割を果たしています。
「あれ?紙って燃えるんじゃなかったっけ?」
と疑問に思う人も少なくはないでしょう。
「紙」なのに「鍋」とはこれいかに。
ということで今回は、紙鍋が燃えない理由についてまとめました。
なぜ燃えないのか。
紙に理由があるのか。
その辺りをチェックしてみましょう!
紙鍋について
紙鍋というのは和紙を器型に折って鍋にしたもの。
材質は厚めの和紙を使っていて内側は耐水性、外側は耐火性の加工を施されている場合が多いです。
ただ、
なぜわざわざ紙を使うのか。
というのは、紙には繊維があるので、鍋から出る細かいアクを繊維が吸着してくれるのです。
そのためアク取りをする必要がないというのは、とても便利なポイント!
なので、旅館や料亭さんの配慮として、アクを救うお玉ではなくて、最初から紙鍋を使うことがあるのですね~。
(^-^)h
紙鍋料理には何がある?
さて、そんな紙鍋ですが、どのような料理に使われることが多いのでしょうか。
紙鍋は料亭などで使われることが多く、肉や魚、野菜を出汁で煮るような小鍋料理の鍋としてよく使われています。
その他にもすき焼きや湯豆腐の鍋として使うこともあります。
ただ、紙鍋というのは強度の問題があるので、そこまで巨大な紙鍋は作れません。
そのため大体は一人用の小鍋料理として使われ、大勢でつつくような鍋の場合は紙鍋は使われません。
いろんな味を楽しめる、ちょこっとの料理がたくさん並ぶときなどに使われたりします。
燃えない理由について
さて、次にこの紙鍋が燃えない理由について。
紙鍋が燃えないのって不思議ですよね~。
「燃えないような特殊加工が表面にされているんでしょ?」
と考える人もいるかもしれませんね。
この、燃えない理由は水の沸点と紙の燃焼点にあります。
まず水の沸騰店というのは100度。
そのため紙鍋に汁が入っている場合は沸騰しても100度以上にはなりません。
一方、紙の燃焼点というのは200度~300度。
なので、紙鍋に出汁や水が入っている限りは100度を超えず、燃焼点に達しません。
そのため下からいくら火を燃やしても紙鍋は燃えることがないのですよ。
いやー、よく考えられてますね~。
逆に考えると紙鍋であっても出汁に接していない部分は200度~300度の熱さに達するので燃えてしまいます。
火をあまり大きくすると紙鍋の底部分だけではなく、側面にも火が届いてしまうので燃えてしまう可能性があります。
だから、あんなにちょろちょろした火で温めるんですね。
紙鍋の作り方
そんな紙鍋は市販されてるものもありますが、材料さえあれば家で作ることもできます。
ここでは、紙鍋の作り方をみてみましょう。
1.
まずは厚めの和紙を用意します。
2.
鍋の底の直径を決めます。
3.
30cm×30cmくらいの和紙であれば直径20cmくらいのボールを用意して真ん中に置きましょう。
4.
ボールからはみ出た端っこを餃子のひだのように折り曲げて上に折っていきます。
5.
周囲をぐるりと折り曲げたらボールを外します。
6.
和紙が器型になったらコンロや焼き網に乗せれば完成です。
まとめ
今回は紙鍋が燃えない理由や紙鍋の使い方についてまとめてみました。
紙鍋というのは中に出汁が入っているから温度が上がらず燃えることがないのでした!
アクも紙がすってくれるので、おもてなし料理には適している「鍋」なんですね~。
ただし、出汁が干上がってしまうと紙鍋は燃えてしまいます。
なので、水分がなくなる前に火が消えるような仕組みがあるとベストです。
紙鍋自体は簡単に作ることができますが、もし使う場合は着火剤と紙鍋を置くための台をセットで用意する必要がありそうですね。
(^^;
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ